なぜ中井を落とさない?巨人ファンのヘイトを一身に受け止める伝説の男

いま、巨人で最も愛される男とは誰だろうか……

公示(出場選手登録・抹消)が発表されるたび、Twitter上では罵詈雑言のリプが飛び交う。

その大型台風の直撃を喰らっている男。それが中井大介だ。

なぜそこまで嫌われる?「中井下げろ」

中井くんフルスイング!

巨人の公示のたびに、Twitterのリプ欄には、「中井下げろ」コールが巻き起こる。

なぜそこまで嫌われているのだろうか。

1軍レベルと思えない残念な数字

まず、中井の今シーズンの成績を見てみよう。

66試合出場し、86打数16安打。ホームラン1本。

打率にすると、.186

は?

そもそも、そのパンチ力に定評があり、スタメンは無理でも代打要員として期待される選手として

いささか、というより、まったく期待できないこの数字。しかもそれなりの打席数をもらっているのにだ。

年齢にしても今年29歳、若手とは言えないし、今後の伸びしろも期待できない年齢にまで来ている。

圧倒的〝器用貧乏″感

打撃以外の面を見てみよう。

まずは守備。中井選手は、内野手登録ではあるが、外野も守ることができる。

実に、サード、セカンド、ファースト、ライト、レフトなどの守備に着くことができる。

しかも、キャンプではキャッチャー練習をしたこともあり、適性を示している。

一見、木村拓也氏を彷彿とさせるユーティリティプレイヤー感があるが、決して、守備のプロフェッショナルと呼べるレベルではないように感じる。投手出身ということもあり、肩はまぁまぁ強いようだが。

どうでもいいが、名前も「ナカイ」だ。「キムタク」と呼ばれていた木村氏と共通点を感じさせる。

一時期、登場曲でもSMAPをよく使用していたし。バンバンバカンスとかね。やかましいわ。

走力面でも、決して遅くもないが速くもない。盗塁数は0だ。

たしかに、この状態では、ファンから「下げろ」と言われるのも無理もないのかもしれない。

ファンを煽るような、中井伝説

1万号の男

さて、数字や能力以外でも中井選手が嫌われる理由を考えてみよう。

それは、どうでもいい伝説を残し、ファンの怒りの炎に油を注いでいるからではないだろうか。

前代未聞、寝坊して2軍落ち

中井伝説の幕開けはここから始まる。

2013年、初スタメンを勝ち取り、打撃も好調。若き大型内野手にファンの期待も増す中

なんと、寝坊して全体練習に1時間遅刻するという失態を犯し、2軍へ降格する。

ジャイアンツタイム(30分前行動)で有名な巨人で、1時間の遅刻とはいったい何事か。

いや、わかるよ。僕だって遅刻くらいするさ。体調がすぐれないとき、朝起きれないことだってあるだろうさ。

だけど、いくらなんでも自分の今後の野球人生に関わるであろう、1軍定着の大事な時期に遅刻するかね?しかも1時間。

本当に残念な奴だ。とファンのみんなも呆れたことだろう。

しかし、この後中井選手は、汚名返上のためバカスカ打ちまくり(なんと打率.361)、再び1軍定着をモノにする。中井伝説はまだまだ続くのだ。

幻の四番ファースト中井

2015年、寝坊事件から2年の月日が経ち、結局、1軍には留まるものの、主力選手とは言い難い、微妙な成績が続く中、新たな伝説が生まれる。

4月29日の中日ドラゴンズ戦、東京ドームでのスターティングラインナップ発表で、球場がどよめきに包まれた。

「四番ファースト、中井」

球場内では「はえ?」「なんで?」という声がところどころで聞こえる。

第83代四番打者中井大介、爆誕である。

さすがにこの時は、原さんが頭にビーンボールでも喰らったのかと思ったが、名将原監督のこと、なにか真意があるはずだ……とファンは半信半疑で新四番の動向に注視する。

結果は、2打席凡退で交代させられるという散々な結果。いったい何だったのか……

爾後、中井大介が四番に座ることは二度とないのだが、この出来事は巨人史上まれにみる珍事としてに永遠に刻まれることになる。

セカンド、マギーの生みの親!?

中井伝説は止まらない。2017年、オープン戦で確変を起こし、打ちまくった末、手に入れた開幕レギュラー。

しかし、その後、いつものように打率をどんどん下げていき、気が付けばベンチウォーマーが定位置に。

この年は、僕自身もよくオープン戦を見に行っていたので、中井選手の飛躍に若干の期待を持っていた。と同時に(どうせ今打ちまくってて、開幕したら打たないんでしょ。と)その活躍に疑念を抱いていたのだが

悪い予感は的中するもの。やっぱり打てなかった。もはや残念でもないし当然。

しかし、この中井気流の乱高下によって生み出された副産物がある。

それはセカンド、マギーだ。

もともと、セカンドレギュラーだった片岡が満身創痍。元盗塁王藤村もダメ。ドラ1でセカンドを期待されていた吉川尚も出遅れたことで、セカンドのレギュラーは空白状態。そこで中井が使い物にならなかったものだから由伸監督は苦肉の策にでる。

本来サードのマギーをセカンドで大胆起用。(メジャーでセカンド経験はあったらしいが)

この策に、疑念を呈すファンも多かったが、意外にもこれがフィット。

ベンチで暇を持て余していた村田さんをサードで起用することができ、阿部、村田、マギーのベテラン重量打線を構築することに成功。ここから巨人はやや調子を上げることになる。

これによって、柔軟にマギーを使うことができるようになり、2018年現在でも、緊急時はセカンドとして、マギーは大活躍している。

NPB史上初、球団通算10000号本塁打

さて、最後の伝説はこれだ。球団通算本塁打。

NPB史上初ともなる、球団通算本塁打1万号へ大手がかかる中、その記念すべき祝砲を誰が上げるのか、ファンの期待は高まっていた。

特に、最近までの記念本塁打は、8000号ローズ、9000号ラミレスと外国人助っ人が続いていたから、ぜひとも生え抜きの選手に打ってほしいと思うファンも多かったはずだ。

2000本安打を達成した阿部か?キャプテンの坂本か?皆が思い思いの1万号を描いていたとき、その幻想をぶち壊したのが、中井大介だった。

「なんでお前なんだよ!!!」とネット上がざわつく。

インタビューでは「僕で良かったのかな」「あ、やばいな」など、人の好さを見せてくれた中井選手だったが、余計にファンのヘイトを集める形となってしまった。

なぜ中井を使い続けるのか?中井の価値は

さて、上記のように、記録にも記憶にも嫌われる要素が満載の中井選手だが、巨人の1軍に帯同しているということは、それなりの価値があるはずだ。さんざんこき下ろしてきたが、僕たちの愛すべき男の価値を見直してみよう。

貴重なユーティリティプレイヤー?

中井選手のユーティリティ性は上記にも書いたが、いかんせん、特筆すべきほど守備が上手いわけでもない。

他にユーティリティ性のあるサブとして、吉川大機という存在がいる。

肩も強く、守備も上手い。素人目に見ても、はっきり言って、吉川大機の守備力は、守備固めとして文句なしのプロフェッショナルだろう。しかも、ショートも守れるし、外野経験もゼロではない。

あれ、これ中井いらなくね?

一発が期待できるパンチ力!?

守備で吉川大機に勝てないとなれば、打力はどうだろうか。

吉川大機は、通算本塁打ゼロ本だ。打率も中井選手とそれほど変わらないとなれば、そこはメモリアルアーチャー中井大介の出番。代打、中井だ!

いやでも、いま控えには最強代打の阿部慎之助がいる。陽岱鋼もいる。ダイナマイト慎吾も。他にも打力に定評のあるキャッチャー大城。打撃センス光る若手、田中俊太も……

あれ、おかしいな。中井選手の出番ないねこれ。

最終兵器「中井大介」

もうどうしたらいいんだ!?どうしたら中井選手を使う場面が来るんだ!?いったいなんのためにいるんだよ!!

一軍経験積ませるっていう将来有望な若手なわけでもないし。なんなの?もうわけがわからないよ。

ただ、強いて言うなら、ほんとうに保険の保険の保険の保険という存在。

延長12回、野手も使い切ってしまった。そんなときにアクシデント、どうしても代わりを出さないといけない、そんなとき、最後の最後の最後に、どこでも守れて、それなりに走れて、いざとなったら打てるかもしれない中井選手は、まさに最終兵器と言えるだろう。本当の意味の“最終”手段だが。

いや、ないよ。そんな場面。あったとしても、そうなったらもう仕方ないよ。そのために保険かけとくってどんだけ心配症なんだよ。自動車持ってないけど、いざというときのために毎月自動車保険払ってるようなものだよ!!おかしいよ!!!

 

まとめ

散々書いてきたが、僕は決して中井選手を嫌ってるわけじゃない。むしろ愛してる。

もしかしたら、なにか、なにかやってくれるかもしれない。そんな期待を抱かせる選手ではあるはずだ。由伸監督もきっと彼の“未知の潜在能力”にかけているのかもしれない……

余談だが、僕は中井選手と同じ三重県の出身で、世代も近い。高校生の時分、「絶対プロに行くような凄い選手がいるぞ」という噂が耳に入ってきた。それが宇治山田商業のエースで四番だった中井大介だ。

自分のわりと近いところに、将来のプロ野球選手がいる。そんな環境は、不思議とワクワクさせるものだったのを覚えている。

きっと、これからも公示が出されるたびに、「中井下げろ」の嵐が吹き荒れることだろう。

その強風にも負けず、プロ野球選手としての価値を我々に示し、真の愛される男になってくれることを願う。

Sponsored Link

コメントを残す

サブコンテンツ

ページTOPへ