巨人次期監督は、なぜまた原なのか?落合、中畑…各候補者を比較。

昨日、巨人は川相二軍監督と、田代2軍打撃コーチの退団を発表。

着々と、次期監督の最有力候補、原辰徳氏を迎えるための下準備が進んでいると見ていいだろう。

ちなみに、スポーツ報知によると川相2軍監督と田代コーチの解任は、「確かな実績はあるが、監督辞任にあわせて新陳代謝」という理由だそうだ。

実績は申し分ないんだけど、他の部署で人事あったから、君もクビで!なんて言われたら、いったい何のために仕事してきたんだよ……と、僕なら怒りが沸いてきそうなものだが。

ともかく、次期監督は原辰徳氏で一本化されている。

そしてそれは、いずれ誕生するであろう阿部監督への布石なのではないだろうか?

今回は、ノムさんが語る理想の監督像を参考に、次期監督がなぜまた原なのか、候補に挙がった人たちと比較しながら考察してみようと思う。

ノムさんが語る理想の監督

次期監督の話をする前に、ちょっと予備知識としてノムさんこと野村克也氏の語る、理想の監督像というのを知っておこうと思う。監督にはどのような人物が向いているのか?

人望が無ければ名監督にはなれない

ノムさんが、名監督になると思っていたという人物が、古田敦也だ。

ここに書くまでもないほどの名捕手の古田だったが、監督としては実績を残せないまま引退した。

その要因として、ノムさんは古田のケチさを上げている。

現役時代、食事は常にワリカンという話は有名だ。珍しく食事に誘ったかと思えば「牛丼でも食ってこい」と言ったこともあるらしい(売れてない先輩芸人かよ)

監督になったあとも、「選手と距離を置く」ことを信条にしていたため、プライベートでの付き合いは避けていたようだ。

ヤクルトの現ヘッドコーチ宮本慎也も、古田の毒舌について語っており、あまり人望があるようには思えない。

会社でもそうだが、いくら仕事ができる上司でも、人間的に嫌な奴だと着いて行こうとは思わないし、ケチで毒舌な古田が監督として大成しなかったのも納得がいく。

もちろん、部下にいい顔してるだけの上司も問題はあると思う。能力と人望。そのバランスが上手くとれる人物こそ、監督に相応しいのかもしれない。

外野出身の監督は大成しないという説

ノムさんは他にも、外野出身の監督は大成しないという自説を唱えている。

実際に過去20年間の日本一を達成した監督を列挙してみる。

監督 出身守備位置 チーム 年数
工藤公康 投手 ソフトバンク 2017、2015
栗山英樹 外野手 日本ハム 2016
秋山幸二 内・外野手 ソフトバンク 2014、2011
星野仙一 投手 楽天 2013
原辰徳 内野手 巨人 2012、2009、2002
西村徳文 内・外野手 ロッテ 2010
渡辺久信 投手 西武 2008
落合博満 内野手 中日 2007
T・ヒルマン 内野手 日本ハム 2006
B・バレンタイン 内野手(捕・外) ロッテ 2005
伊藤勤 捕手 西武 2004
王貞治 内野手 ダイエー 2003、1999
若松勉 外野手 ヤクルト 2001
長嶋茂雄 内野手 巨人 2000、(1994)
権藤博 投手 横浜 1998
野村克也 捕手 ヤクルト 1997(1995、1993)

こうしてみると、内野の経験がほぼない外野出身の監督は、栗山英樹と若松勉の2人だけだ。

ノムさんの言う通り、外野出身の監督はあまり結果を出せていないようにも思える。

こんなことを云ってはなんだが、実際、外野手というのは頭を使う機会が少ない。

僕自身も、内野手として野球をやっていたが、たまに外野を守ると、外野ってこんなヒマなんだなーと思ったことがある。

捕手、投手は当然常に頭をフル回転させてプレイしているし、内野手も、守備の連係や打球の処理もランナー次第でケースバイケース。常に様々な状況を想定して守備についている。

反面、外野手というのは、おおざっぱに云えば、飛んできた球を捕球し、内野に返球する。それだけだ。

守備範囲の広さ、肩の強さなど身体能力の高さは内野手以上に必要になる場面は多々あるが、状況判断など、頭を使う場面はほぼ皆無だ。

ちなみに、過去20年間では捕手もノムさんと伊東勤の2人だけなのもちょっと引っかかる。

まぁ、捕手というのは投手や他の野手に比べて、圧倒的に絶対数が少ないということも考慮すべきか。

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巨人の次期監督は何故また原なのか?それぞれの事情

さて、ノムさん流の監督像をおさらいしたところで、なぜ、また原辰徳氏に監督要請を出したのかを考えてみよう。

次期監督候補には様々な名前が挙がっていたが、原監督以外に適任者はいなかったのか、比較してみる。

原辰徳

原監督

現時点での最有力候補が、原辰徳氏だ。

巨人V3の実績に、日本一も3度。実績、スター性、カリスマ性など申し分なし。

巨人一筋、現役時代の看板選手という巨人の監督としての条件も満たしている。

2度目の退任も、成績不振からの退任というよりも、賭博問題などのゴタゴタを収束させるために辞めたという印象が強い。

このような問題が起きていなければ、原政権はまだ続いていた可能性はある。

高橋由伸監督が辞任することになり、一番面倒な時期を高橋由伸監督に押し付け、チームが上向いてきたら原に戻す。というような図になってる感が否めないが……

これで来年以降も結果を出し続けたら、まさに天運に恵まれている、と云うほかない。

川相氏とは、前監督時代にも共に戦った仲だが、今回の解任を見る限り、原のために川相をクビにしたという構図が見えてくる気もする。川相は自分の意見をズバズバ言うタイプらしく、原さんとの仲はあまりよくないのかもしれない。これで村田真一コーチが残留したら、まぁ、そういうことなんだろうなと。

また、必殺の『愛のテレフォン』でFA戦力を強化し、若手育成をないがしろにしてきた印象もあるが、坂本、松本哲也、山口鉄、菅野などなど、生え抜きで結果を出させた選手もいる。

大田や中井、藤村などは激しすぎるレギュラー争いのため脱落したが、新たな原政権で、吉川尚や重信たちは生き残ることができるか?

そして、原監督の使命は巨人を強くすることだけではない。

それは次期監督となるであろう阿部慎之助を育てること

高橋由伸監督のような失敗をしないために、しっかりと後任を育成する。選手だけではなく監督も、ということだ。それができるのは、原さんしかいないのかもしれない。

落合博満

富野由悠季

中日ドラゴンズの監督として、4度のリーグ優勝の実績を誇る名監督。セリーグ最優秀監督賞を受賞したこともある。

今シーズン初めごろのインタビュー(スカパーだったかな?)で、坂本の1番打者としての適性を語っており、実際に坂本は1番打者で起用されている間は好成績を残している。

そのことから、監督としての手腕には文句はなさそうだが、巨人の生え抜き選手でないため、巨人一筋の人物しか監督にしないという巨人の謎のこだわりにより、就任の可能性は低い

自身もTBSのサンデーモーニングにて「ありません、ありません。私がやることはまずありません」と発言。

オレ流の手腕が、巨人にどのような変化を与えるのか……個人的には物凄く観てみたいのだが、上述のしがらみから、再び巨人のユニフォームを着ることはないだろう。

余談だが、息子の落合福嗣くんは現在、声優として活躍中。プロ野球選手の年俸をテーマにしたアニメ「グラゼニ」で主人公を演じているので、興味のある方は一度観てみてわ。

中畑清

キヨシ

絶好調男の異名を持つ熱血漢。選手時代は巨人一筋。背番号は由伸が着ける前の24。

監督としては、暗黒時代真っただ中だった横浜ベイスターズを新会社DeNAと共に立て直した

監督としての実績もあり、そのキャラクターから人望もありそうなのだが……

現在は解説者として巨人戦の解説もしているが、個人的にはキヨシの解説は好き。熱血でありながら理論的。

長嶋茂雄の愛弟子ということもあり、長嶋監督自身にも「巨人に戻ってほしい人材」と言わしめたのだが、今回もオファーはなかった模様。

自身の背番号を引き継いだ高橋由伸監督については

「来年は誰が監督をやっても優勝が期待できる。それだけのものを由伸は作った」と高評価している。

熱い中畑巨人も見てみたかったのだが……フロントに嫌われているのだろうか。

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江川卓

かつての巨人の大エース、江川卓。

今まで散々、監督説が浮上しては消えていった江川卓。

解説者としては人気も高いが、指導者としての経験はゼロ。

なにより、現場から離れすぎているので、選手たちから人望を集められるのか?という問題がある。

巨人のエースとしての実績を持ちながら、なぜ指導者にならなかったのか?

一つは、コーチよりも収入の高いタレント業が魅力だった、という説。

なので、巨人の要請を断ってきた江川に、再び球団が頭を下げるのは些か巨人のプライドが許さないということもあるのだろう。(そもそも要請がなかったと江川は語っているが、その真偽は定かではない)

もう一つは、空白の1日事件。今は昔の話だが、江川が巨人に入団する際に、ひと悶着あったのだ。

簡単に説明すると、ドラフトの前日に、当時フリーの江川と巨人が契約を結んでしまったというもの。

というのも、当時のドラフトの仕組みでは、前年のドラフトで得た交渉権は、その年のドラフトの前日に消滅するというルールがあり、巨人はそのルールの穴を着いて、前年の交渉権が消滅し、かつ、高校・大学・社会人、どこにも属していない、まったくのフリーの状態の江川と契約を交わしたのだ。

だが、これをやってしまうと、ドラフト自体が形骸化するために他球団が反発。しかし、なにもルールを破っていない巨人からしたら、やったもん勝ちだろ!という当然の主張。

紆余曲折あり、江川は阪神に入団し、その後トレードで巨人にやってくるという落としどころになった。

うーん、なんかもう滅茶苦茶だな。

この経緯があって、江川は事実上、巨人の生え抜き選手ではない

監督は生え抜きにという条件を満たせないのである。(なにもそこまでして、生え抜きにこだわる必要あるんか?とは思うけど)

松井秀喜

がっじーら

云わずと知れた巨人のスターであり、元メジャーリーガー。

今でも、臨時コーチとして選手たちを指導していることもあり、巨人との関係は良好だ。

渡米したとはいえ、日本だけなら巨人一筋、スター選手という条件を満たしている。

しかし、なにより本人に巨人の監督となる意志がなさそうだ

というのも、松井はメジャー時代にデレクジーターと懇意にしており、ジーターからもメジャーでの指導者として期待されている節がある。

松井自身、アメリカの生活が好きなようだし、もし指導者になるならメジャーリーグでという思いが強いだろう。

さらに言うと、やはり外野出身ということもあって、あまり監督で成功しそうなイメージも湧かない。

巨人のユニフォームを着た松井の姿を、個人的には見たいと思う反面、なんていうかスケールが違いすぎるのかな、とも思う。

阿部慎之助

しんのすけ

今後、確実に巨人の監督となるであろう、阿部慎之助。

だが、現在はまだ現役であり、本人もバリバリに続けそうな勢いである以上、由伸監督のときのように無理矢理にでも監督にするという悪手を使わない限りは、現時点での監督はないだろう。

だが、選手としての実績は充分であり、V3時代の正捕手ということで、采配という点でも文句は無さそうだ

唯一の問題点は、その人望か。

かつては、マウンド上の澤村をシバいたり、小林を丸坊主にするパワハラを強いたり、愛の鞭といえば聞こえはいいが、今の時代の指導者像には程遠い感じがする。

原監督の下で、再び監督業を学び、今後に活かすことができるか。

この次の監督は間違いなく阿部であろうから、阿部を育てるという意味でも、原監督の再登板はある意味、合理的なのかもしれない。

まとめ

理想の監督像である、実績、人望を兼ね備えた人物としては、現時点では原監督が最も適しているだろう。

そして何より、巨人にはしがらみが多すぎる。監督1人決めるのにも、様々な条件が立ち塞がる。

いくら、監督としての能力があったとしても、巨人で監督をやるというのは簡単なことではない。

高橋由伸監督が辞任を決断した以上、現時点での適任者は原さんしかいないのだろう。

そしてこれは、さらにその次を見据えた、阿部監督誕生への布石なのだ。

原監督の使命は、巨人を優勝させることと、高橋由伸監督の二の舞にならないよう、阿部慎之助を指導者として育ることの二つなのではないだろうか。

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